COLUMN 05 — INVESTMENT PROPERTY

家賃滞納者がいる収益物件は売却できる?オーナーが知るべき注意点

滞納が続くアパート・一棟マンション。売却可能性、査定、未収家賃の扱い、契約承継のポイントを整理します。

結論|家賃滞納者がいても収益物件の売却は可能

滞納中の入居者がいても、賃貸中の収益物件として仲介で売却する方法や、条件が合えば不動産会社に直接買い取ってもらう方法があります。ただし、滞納の事実を隠すのではなく、未収額・発生時期・保証会社・督促履歴・敷金を整理し、売却前後で誰がどの権利義務を負うか明確にすることが大切です。

家賃滞納者がいるアパート・マンションは売れる?

家賃滞納者がいるという理由だけで、不動産の売買が禁止されるわけではありません。買主は将来の賃料収入に加え、未収金の回収可能性や、入居者対応に要する時間・費用などを検討します。滞納が1室なのか複数室なのか、保証会社による立替払いがあるのかでも評価は変わります。

特に一棟物件では、滞納のある部屋以外の賃料収入、空室率、建物の状態、土地の価値も合わせて見られます。滞納があることと、物件全体に価値がないことは同じではありません。

注意|滞納=すぐに退去させられる、ではありません

契約解除や明渡しには事案ごとの法的判断が必要です。無断で鍵を交換したり荷物を撤去したりする行為は避け、必要に応じて弁護士へ相談してください。

家賃滞納は売却査定にどう影響する?5つの確認事項

1.滞納月数と未払い金額

何月分から、どの部屋で、いくら発生しているかを明確にします。単発の支払い遅れと、長期滞納とでは買主の見方は異なります。

2.保証会社・保証人の有無

家賃保証契約がある場合でも、保証範囲、立替条件、請求期限、承継の可否を確認します。「保証会社がいるから未収リスクはゼロ」とは断定できません。

3.現況家賃と実際の入金状況

レントロール上の契約賃料と、実際の入金実績を分けて説明しましょう。買主は実収入と将来の回収見込みを踏まえて収益性を判断します。

4.督促・交渉・法的手続きの状況

催告書の送付、入居者との協議、弁護士への相談、裁判手続きの有無は、引継ぎ時の重要情報です。個人情報の取扱いには配慮しつつ、必要な範囲で適切に開示します。

5.建物・土地そのものの評価

駅からの距離、管理状況、修繕履歴、接道なども査定を左右します。未収家賃の問題だけにとらわれず、収益面と資産面の両方を整理しましょう。

滞納のある収益物件も、まずはご相談ください

未収額・入居状況・物件所在地が分かる範囲でも相談を開始できます。売却方法と査定上の確認点を一緒に整理します。

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売却前の滞納家賃・敷金・賃貸借契約はどうなる?

売却前の未収家賃は「自動承継」と決めつけない

物件の所有権が移転しても、売却前に発生した滞納賃料債権が当然に買主へ移るとは限りません。未収金を売主が引き続き請求するのか、買主へ債権譲渡するのか、売買代金で調整するのかを契約で明確にします。債権譲渡には対抗要件等の確認も必要です。

賃貸人の地位と敷金返還義務

賃借人が対抗要件を備えるなど民法605条の2の要件を満たす場合、原則として物件譲渡に伴い賃貸人の地位が買主へ移転します。同条は敷金返還に係る債務等の承継も定めています。売買契約では敷金の残高、滞納との関係、精算方法を詳細に確認しましょう。

根拠:e-Gov法令検索「民法」605条の2・605条の3/国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」Q&A

売買契約で確認したい事項
  • 売却日以前の未収金の帰属と債権譲渡の有無
  • 売却日以降の賃料の受領先・精算基準日
  • 敷金・保証金の承継額と精算
  • 保証会社・管理委託契約の取扱い
  • 滞納・紛争についての告知内容と契約条項

滞納物件は仲介と直接買取のどちらがよい?

項目仲介直接買取
買主個人投資家・法人などを募集不動産会社自身
価格広く募集し高値を目指せる滞納対応・再販リスク等を織り込む傾向
期間買主募集・融資審査による条件合意後の日程調整をしやすい
滞納への対応買主への説明・資料開示が重要買取会社の審査・対応方針による
仲介手数料一般に発生仲介業者を介さない直接売買なら原則不要

「滞納者がいるから安く手放すしかない」と早合点せず、現況のまま売る場合、保証会社や専門家と整理してから売る場合などを比較することが重要です。直接買取も、必ず引き受けられるという意味ではありません。

売却査定までに準備したい資料と進め方

  1. 滞納一覧表:部屋番号・月別未収額・入金日・残高
  2. 賃貸借契約書:賃料・敷金・更新・保証条項
  3. 保証関連資料:保証会社契約・立替払い記録・保証人情報
  4. 督促履歴:催告、交渉経緯、専門家への相談状況
  5. 収益・建物資料:レントロール、固定費、修繕履歴、登記・図面

最初から全資料が揃っていなくても、所在地、戸数、滞納の概況と希望売却時期を伝えることで相談を進められます。売却前には個人情報の取扱い、未収金の精算、契約不適合責任の範囲を専門家と確認しましょう。

家賃滞納がある収益物件のよくある質問

Q. 家賃滞納中の入居者がいても収益物件は売れますか?

A. 売却は可能です。ただし滞納額、滞納期間、督促・保証会社の対応状況などが査定や買主の判断に影響するため、事実関係の開示が重要です。

Q. 売却前に発生した未払い家賃は自動的に買主へ移りますか?

A. 一般に、売却前に発生した未払い賃料債権が当然に買主へ移転するわけではありません。債権譲渡の有無、精算方法、通知等は契約内容と法的要件を確認してください。

Q. 賃貸中の物件を売る際、入居者の同意は必要ですか?

A. 対抗要件を備えた賃貸借では、原則として所有権移転に伴って賃貸人の地位が移転します。ただし個別契約や特殊な権利関係の確認が必要です。

Q. 滞納があればすぐに退去させられますか?

A. いいえ。滞納があっても、直ちに賃貸借契約の解除や明渡しが認められるとは限りません。事案ごとに信頼関係の破壊などを検討する必要があり、無断の鍵交換などの自力救済は避けて弁護士等へ相談してください。

Q. 家賃滞納がある物件でも直接買取を相談できますか?

A. 相談は可能です。つばさ財託では条件が合う収益物件の直接買取を検討していますが、滞納状況や契約・建物状態などにより可否と価格は個別判断となります。

まとめ|滞納を隠さず、権利関係と収益性を整理する

家賃滞納者がいても、収益物件の売却自体は検討できます。未収金の帰属、賃貸人の地位や敷金返還義務、保証契約の扱いを整理したうえで、仲介と直接買取の条件を比較しましょう。家賃滞納の解消だけに時間をかけるより、まずは現状での査定を知ることが判断材料になる場合もあります。

つばさ財託では大阪・関西の一棟アパート、マンション等の売却相談を受け付けており、条件が合う物件は直接買取も検討しています。

TSUBASA ZAITAKU

滞納者のいる収益物件の売却相談

入居状況や未収家賃の問題も含め、物件の現況から売却方法を検討します。

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